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ショートエッセイ#65『なぜエアコンは横長なのか』


  いきなりだが、私は昔から不思議に思っていることがある。なぜエアコンは横長なのだろうか。どうせ壁に取り付けるのだから、縦長にした方が省スペースではないか。部屋の角にも設置しやすいし、見た目もすっきりする気がする。冷蔵庫だってタンスだって縦だし、テレビだって台まで入れたら縦長だ。エアコンも縦にした方が見た目も設置もすっきりするはずだ。というか、エアコンは横長のせいで設置場所が限られる。実際、礼拝堂にエアコンを設置する際もそれで苦労した。横長でいいじゃないか。

 というわけでエアコンがなぜ横型なのか調べてみた。すると、どうやらそう簡単な話ではないらしいということがわかった。エアコンを縦向きに設置すると、空気の流れが悪くなったり、熱交換の効率が落ちたり、排水にも不具合が生じたりするそうだ。細かい原理や仕組みまでやよくわからなかったが、要するにエアコンが横長なのはなんとなくではなくて、それなりの理由があるらしい。

 考えてみれば私たちは、「もっと効率の良い方法があるのではないか」と考えることが多い。もっと楽に。もっと早く。もっと合理的に。しかし、外から見ると無駄に思えることにも、実は大切な意味が隠されていることがある。

 とりわけ教会の礼拝はその最たる例であろう。日曜日の朝に集まり、賛美し、祈り、聖書の話を聞く。効率だけを考えるなら、その時間を家で休んだり、別の用事に使った方が得に思えるかもしれない。しかし信仰は、効率よく生きるための技術ではない。神様と共に生きるための歩みである。だから礼拝には、私たちが思い描くような効率だけでは測れない意味がある。

 聖書には「わたしの思いは、あなたたちの思いと異なる」という言葉がある。私たちはしばしば、自分の考える最善を神様にも求める。しかし神様は、私たちには見えていないところまで見通しておられ、それ故に私たちが思い描くのとは違う形の現実をもたらすことがある。実に、エアコンが横長であることに理由があるように、神様のなさることにも理由があるのだ。

 人生には、「縦にした方が良さそうなのに」と思う出来事がたくさんある。しかし案外、その横長には理由があるのかもしれない。神様は今日も、私たちには見えないところで最善を整えておられるのである。